| 学会参加レポート,ドクターブログ
第50回日本遺伝カウンセリング学会学術集会に参加して
医師の吉岡です。
7月31日〜8月2日、東京で開催された「第50回日本遺伝カウンセリング学会学術集会」に参加してきました。この学会の参加者は、主に医師と遺伝カウンセラー、遺伝カウンセラーを目指す学生さんですが、遺伝カウンセラー、遺伝カウンセラーを目指す学生さんが若い人が多いので、発表もバラエティーに富んでいます。今回、面白い発表だと思ったのは、SNS上のショート動画から出生前検査関連の動画を集めて、その情報内容を検討したというものです。152件の動画を分析した結果、個人の経験や考えに関する動画が半数で、非医療従事者が投稿しているものが67%であり、内容と情報の質に偏りがあるという結論でした。
最近の若い方は、学会等が発信する「正確な情報を伝える長い動画」をなかなか見てくれないという問題があるそうで、医療者として正しい情報を広めていくことの難しさを感じました。
もう一つ興味深かったのは、採卵を11回して一度も卵子が採れたことがない患者さんに対して、研究的に遺伝子検査を行ったところ、空胞症候群の原因とされる遺伝の一つであるZP3遺伝子の変化が認められたというものです。しかし、原因がわかったとしても、それを治療することは現在の医療ではできません。今後は、生殖医療の分野でも遺伝子検査が徐々に行われるようになっていく可能性があるかもしれませんが、原因が分かった方が良いと思えるのか、知らない方が良かったと思うのか、遺伝学的検査については常に考えさせられることばかりです。

