福岡の不妊症手術(子宮鏡検査・手術、卵管鏡下卵管形成術(FT)など)

子宮鏡検査・手術

不妊治療中の病歴や超音波検査で、子宮内膜ポリープや子宮内に突出する筋腫(子宮粘膜下筋腫)、子宮内癒着、子宮形態異常が疑われることがあります。
これらの病変は子宮内の炎症や子宮内膜の菲薄化などを引き起こし、着床障害に関わると考えられています。

当院では子宮鏡検査で、子宮内膜ポリープ、小さな子宮粘膜下筋腫、子宮内癒着、慢性子宮内膜炎によるマイクロポリープを認めた患者様に対する子宮鏡手術として、Hologic社の『MyoSure』を用いて、年間500例以上の子宮鏡手術を行っております。

一般的な子宮内膜ポリープの摘出方法は、ループ状の電気メスや鉗子を用いて切除するため、子宮内膜の熱損傷や、正常な内膜まで損傷してしまうリスクがあります。
『MyoSure』は、細い子宮鏡で子宮内を確認しながら、病変を少しずつ切断して摘出するため、子宮内膜へのダメージがありません。

(提供:Hologic)

子宮鏡手術

摘出前
摘出前
摘出後
摘出後

適応

  • 子宮内膜ポリープ、子宮粘膜下筋腫、子宮内癒着
  • 反復着床不全の方

大きな子宮粘膜下筋腫、子宮形態異常(中隔子宮など)がある場合は、当院では手術できませんので、総合病院に紹介させていただきます。

麻酔

手術室で子宮鏡を用いて子宮内を観察し、病変を認めた場合、麻酔をかけて手術を行います。
局所麻酔と静脈麻酔を併用しますので、痛みはありません。
入院は必要なく、当日帰宅が可能です。

検査費用

項目 料金
(3割負担)
子宮鏡検査 約3,000円
子宮鏡下子宮内膜ポリープ摘出術 約20,000円
子宮鏡下子宮筋腫摘出術 約57,000円
子宮鏡下子宮内腔癒着切除術 約56,000円

※麻酔、薬剤量は除く

予約方法

非常に多くの患者様に手術を行っておりますので、当院で不妊治療を行われている患者様のみ検査、手術をさせていただいております(2025年7月時点)。

卵管鏡下卵管形成術(FT)

不妊症の約30%で卵管が狭くなっている、もしくは
閉塞がある(精子と卵子が卵管で出会うことができない)ことが報告されています。

狭窄・閉塞している卵管を広げる治療法として、卵管鏡下卵管形成術(FT)があります。
卵管の開通率は90%以上で、術後の妊娠率は約25〜35%と報告されており、当院でも同等の成績が得られております。

高度な技術が必要ですので、限られた施設でしか行うことができませんが、当院ではこれまでに100例以上実施しております。
他院で「卵管が詰まっているから、体外受精しかありませんね。」と言われた方も、是非一度ご相談ください。

手術適応

  • 子宮卵管造影検査で、片側もしくは両側の卵管近位部(子宮側)に狭窄や閉塞が確認された方

精液所見の悪い方、AMH(卵巣予備能)が低い方にはお勧めしておりません。

卵管遠位部(卵管の先端)にも閉塞がある方は腹腔鏡手術が必要であり、総合病院と提携して、治療を行う必要があります。しかし、その場合の一般不妊治療での妊娠率は低く、当院では生殖補助医療(ART)を勧めさせていただいております。

手術の流れ

  1. 1

    細い内視鏡(卵管鏡)を内蔵した細い管(カテーテル)を用意します。

    卵管鏡下卵管形成術で使用するカテーテルと卵管鏡のイラスト
  2. 2

    カテーテルを腟から子宮へと挿入し、卵管に近づけます。

    カテーテルを腟から子宮へ挿入し卵管に近づけるイラスト
  3. 3

    カテーテルの風船(バルーン)を膨らませて、卵管の中へバルーンを進めます。

    カテーテルのバルーンを膨らませて卵管内へ進めるイラスト
  4. 4

    卵管内の全域で詰まっているところを広げます。

    卵管内の詰まっている部分を広げるイラスト
  5. 5

    卵管内の様子を、卵管鏡を使って観察します。

    卵管鏡を使って卵管内を観察するイラスト

※提供:テルモ株式会社

麻酔

局所麻酔と静脈麻酔を併用して治療しますので、痛みはありません。
入院は必要なく、当日帰宅が可能です。

治療後の流れ

FT後でも、卵管が十分に開通しない場合や、開通しても再び閉塞してしまうことがあります。
実際に、約5~10%の方で再閉塞が認められると報告されています。
そのため当院では、再閉塞を予防する目的で「卵管のケア」を行いながら、慎重に経過を観察していきます。
再閉塞のリスクがあることから、半年以上の一般不妊治療(タイミング法・人工授精など)を継続することは推奨しておらず、早めのステップアップを検討することをおすすめしています。

検査費用

項目 料金
(3割負担)
片側 約140,000円
両側 約280,000円

※麻酔、薬剤量は除く

健康保険の適用となりますが、保険点数が高いため、自己負担額が高くなります。
しかし、高額療養費制度の適応があるため、収入によって自己負担限度額が異なります。

適用区分 ひと月の上限額
(世帯ごと)

年収約1,160万円〜

健保:標報83万以上
国保:旧ただし書き所得
   901万円超

252,600円+
(医療費-842,000円)×1%

年収約770万〜約1,160万円

健保:標報53万〜79万円
国保:旧ただし書き所得
   600万〜901万円

167,400円+
(医療費-558,000円)×1%

年収約370万円〜約770万円

健保:標報28万〜50万円
国保:旧ただし書き所得
   210万〜600万円

80,100円+
(医療費-267,000円)×1%

〜年収約370万円

健保:標報26万円以下
国保:旧ただし書き所得
   210万以下

57,600円

住民税非課税者

35,400円

予約方法

ホームページより当院初診予約(一般)でご予約ください。他院からの紹介状をお持ちの方は必ず御持参ください。事前にクラミジア検査、術前検査などが必要となります。

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