福岡の不妊症治療について

不妊症とは

妊娠を希望されている方で、避妊を行わずに1年間継続的に性交渉を行っても妊娠に至らない場合は、不妊症の可能性があるため、検査を受けることが推奨されています。

不妊症検査を受ける時期(日本生殖医学会ガイドライン)

女性の年齢が35歳未満 不妊期間1年
女性の年齢が35歳以上40歳未満 不妊期間6ヶ月

【女性側】
40歳以上、月経異常、子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣手術の既往、抗がん剤や放射線治療の既往

【男性側】
精巣手術の既往、成人後のムンプス、ED、他パートナーとの不妊歴、抗がん剤や放射線治療の既往

できるだけ速やかに

不妊症は珍しいことではなく、近年は「4.4組に1組」(22.7%)」が不妊検査や治療を受けるほど一般的な問題となっています。また体外受精や顕微授精で生まれる子供も「10人に1人」にのぼり、不妊治療は特別なものではなくなっています。(日本産婦人科学会 2022年体外受精・胚移植等の臨床実施成績より)

晩婚化が進む一方、女性の年齢と妊娠率は深く関係しており、年齢が上がるほど妊娠は難しくなり、流産率も上昇します。

WHO(世界保健機構)による不妊症の原因検査

不妊症の原因

※WHO報告

不妊の原因は人さまざまですが、男女別の分類では女性のみに原因があるのが41%、男性のみに原因があるのが24%、双方に原因があるケースが24%です。不妊は、女性側の問題と考えられがちですが、男女双方に原因がある割合を加えると約半数のケースで男性にも原因があります。

不妊治療ではまず原因を正確に診断し、原因に即した治療を選択することが原則とされています。検査によって原因が判明すれば適切な治療方針を立てやすく、原因不明の場合でも一般不妊治療から段階的にアプローチできます。

蔵本ウイメンズクリニックは、福岡で1995年に開院して以来、30年以上にわたり不妊治療に真摯に取り組み、豊富な実績を積み重ねてきた不妊治療専門のクリニックです。全国でも有数の不妊治療件数を誇っており、多くのご夫婦から信頼をいただいております。常に最新の医療知識と技術を取り入れ、一人ひとりの患者様に寄り添い、丁寧に治療を提供しております。不妊治療に関する学会発表や生殖医療専門医の育成にも力を注ぐなど、医療の発展に貢献する確かな医療機関です。

初めて不妊治療をご検討中の皆様も、お一人で悩まずに、どうぞ安心してご相談ください。スタッフ一同、皆様の夢の実現に向けて全力でサポートいたします。

妊娠のステップ

妊娠のためには次の6つのステップが完全に行わなければなりません。

  1. 1

    排卵

  2. 2

    卵子が卵管に取り込まれる

  3. 3

    射精された精子が腟→頚管→子宮→卵管へと移動

  4. 4

    精子が卵子に入り、受精が起こる

  5. 5

    受精卵が卵管から子宮の方へ細胞分裂しながら移動

  6. 6

    受精約一週間後に子宮内膜に着床する

不妊症の原因

現在、正常な男性なら、1回の射精で約2億個もの精子が放出されると言われているのですが、その中の1個だけが、卵管にいる卵子と結合して受精します。その後、子宮へ戻り子宮内膜に着床するのが、自然妊娠です。

これらのステップに1つでも異常があれば妊娠は実現しません。例えば、女性の卵管が詰まっていれば、卵子と精子が出会えません。また、男性の精子が少なければ、精子が卵子まで到達しにくくなります。こういった症状が不妊症なのです。

不妊症の原因

女性側の原因

女性の不妊症の原因には、排卵因子、卵管因子、子宮因子、免疫因子などがあります。排卵因子、卵管因子と男性因子は頻度が高く、不妊症の3大原因と言われています。

1排卵因子

排卵因子は、卵子の成熟、排卵に異常があることで不妊症となります。排卵障害の原因として、高プロラクチン血症、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、精神的ストレス、急激な体重減少、肥満症などがあります。

月経周期が25日~38日型であれば問題ありませんが、当てはまらない場合は排卵障害の可能性があります。
また、20〜30歳台に卵巣機能が低下し、排卵ができない早発卵巣不全も排卵障害の原因です。

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2卵管因子

通常卵管では排卵した卵子がピックアップされ、精子と出会うことができます。卵管因子の原因は、クラミジア感染や、子宮内膜症があります。

クラミジア感染症は、卵管の閉塞や、卵管周囲の癒着によって卵管に卵子が取り込まれにくくなるために不妊症になります。骨盤内の手術や子宮内膜症も卵管周囲の癒着をきたしていることがあります。
子宮に近い卵管の閉塞は、卵管鏡下卵管形成術(FT)によって、卵管の通過性を改善できる可能性があります。

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3子宮因子

子宮内膜に受精卵の着床を阻害する原因として、子宮内膜ポリープ、子宮粘膜下筋腫、子宮内癒着、子宮奇形、慢性子宮内膜炎などがあります。

当院では子宮内膜ポリープや小さな子宮粘膜下筋腫、子宮内癒着に対して、日帰りで子宮鏡手術を行うことが可能です。子宮奇形は先天的に子宮が変形することで、流産を反復する原因となることが報告されています。慢性子宮内膜炎も着床不全の原因であり、抗生剤による治療をすることがあります。

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4免疫因子

免疫異常の代表として抗精子抗体があります。抗精子抗体は精子の運動、精子の卵子への受精を妨げてしまい、不妊症になることがあります。

5原因不明の不妊

不妊症の検査をしても、不妊の原因が見つからない場合を機能性不妊といいます。このような方は、精子と卵子が体内で受精していない状態で、人工授精や生殖補助医療(体外受精・顕微授精)の適応となります。
また、加齢に伴い精子や卵子の機能が低下していることが考えられます。女性では、37歳以降に急激に低下していき、卵子の機能がなくなると有効な治療はほとんどありません。そのため、早めに不妊治療を開始することが大切です。

男性側の原因

男性不妊症は不妊原因の約半数と言われており、『造精機能障害』、『性機能障害』、『精路通過障害』に分類されます。顕微授精を用いることで、精子が1個でも見つかれば受精や妊娠が可能な時代になりました。

男性不妊の原因に関しては、男性不妊のページもご参照ください。

男性不妊外来右矢印