| 学会参加レポート,ラボラトリーブログ
第67回 日本卵子学会学術集会に参加して
こんにちは、培養士(エンブリオロジスト)の田中です。
6月6日~7日に埼玉県川越市ウェスタ川越にて開催された「第67回 日本卵子学会学術集会」に同じく培養士の本田と共に参加してまいりました。

日本卵子学会は主に生殖医療に関わる医師・培養士、大学等で研究している人達が参加・発表する学会です。そして、日本エンブリオロジスト学会と共に、私達培養士の認定証を発行している学会でもあります。
2026年の学術集会では口頭演題92題、ポスター演題39題の他、シンポジウムやハンズオンセミナーも開催され、学術面だけでなく技術面においても学べる機会が用意されており、非常に濃密な2日間でした。
今回私は「顕微授精(ICSI)の穿刺孔から内部細胞塊(ICM)が突出する胚における成績低下を防ぐための試み」という表題で口頭発表をしてきました。受精卵が育って拡張胚盤胞になった際、稀にICSIにより生じた小さな孔(穿刺孔)から将来胎児に育つ細胞(ICM)が突出してしまうことがあり、そのような胚では妊娠率が低下することが分かっています(2025年、第43回受精着床学会にて発表)。そこで、ICMが突出する兆しが確認された胚を突出前に早めに凍結することで、妊娠率の低下を防げるのではないかと考え調査いたしました。その結果、ICMが突出する兆しがあっても凍結・融解後の胚ではその突出は停止しており、胚本来の妊娠成績を維持できる可能性が示唆されました。
他のクリニックでも同様な現象が観察されており、この問題について互いに良いディスカッションを行うことが出来ました。現時点では、この現象を未然に防ぐことは難しいのですが、胚本来の妊娠率の維持・さらには改善にむけて今後もこの問題に取り組んでいきたいと思っております。
また、シンポジウムやセミナーでは受精卵を培養する培養環境の話や、受精卵や卵子、精子の凍結保管・管理に関する注意点について、私達胚培養士の資格制度の現状と課題について等、非常に興味深く、かつ、培養士としての日常の仕事の中で患者様のために活かせる話を沢山聞くことが出来ました。今回の日本卵子学会で学んだ内容は、共に働く培養士間で共有し、またさらに患者様のために役に立てるよう頑張っていきたいと思っております。

