第2回中日ART Work Shopに参加して
カテゴリー: ラボラトリーブログ 2007年11月1日
2007年11月3日から11月4日まで中国広州にある南方医科大学で名誉主席の邢福祺教授、大会主席の全松教授が中心となり開催された第2回中日ART Work shopに参加しました。
南方医科大学には約13,000名の学生が在籍しており、学生をはじめ、そこに勤務しておられる医師やその家族約30,000人の方が南方医科大学の敷地内に住んでおり、敷地内にホテルやレストランなど様々な施設が混在しているため、あたかも1つの街を作っているように感じました。
今回のWork shopに日本からは、当院の院長である蔵本武志(写真右端)と滋賀医科大学の野田教授、徳島大学病院の桑原先生、三宅医院の沖津先生から、今回のテーマである、良好胚を2回移植しても妊娠に至らないART反復不成功症例に対する各施設の取り組みについて講演がありました。
今回のWork Shopには中国各地から多くの医師やエンブリオロジストが参加していました。何よりも今回のWork Shopで驚かされたことは、発表後の質疑応答の時間で、医師、エンブリオロジストからは多くの質問がよせられ、活発なデスカッションがなされていることでした。日本の学会では、このように活発なデスカッションは少なく、我々もこの姿勢は大いに学ぶべき点であると反省させられる面もありました
今回は邢福祺教授から依頼があり、Work shop後に南方医科大学の培養室で、採卵から胚移植、顕微授精や凍結など全てのことについて一日半かけて指導しました。
エンブリオロジストは4名で年間約1200件の採卵・胚移植を行っていました。また、インキュベーターなどの機器は毎日動作確認されており、精子処理や採卵・胚移植時の間違え防止のために我々が日頃行っているダブルチェックなど作業もしっかり行われており、そのqualityはかなり高いと感じました。
現在、中国のART施設の多くが、分割期胚移植が中心に行われていますが、さらなる成績向上のために胚盤胞移植導入を視野に入れその準備も行われていました。一日半と短い時間でしたが各ポイントで私が感じた改善項目について、エンブリオロジストの皆さんに話をする時にも皆真剣で、多くの意見交換ができました。
南方医科大学の培養室でのみなさんの姿勢を学ぶことができ大変有意義な時間を過ごすことができました。
今回の海外の病院での見学と指導から私が学んだことを生かして、私たちのクリニックスタッフでも全員協力し、さらなるステップアップにつなげていきたいと思います。
培養室 江頭昭義