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クリニックについて

安全管理の取り組み

    当院では、患者様が安心して安全な医療を受けられる環境を整え、良質な医療を提供することを通じて、不妊に悩むカップルの支援と少子化の問題を抱える地域社会に貢献することを目的としています。

    この目的を達成するために、当院では医療安全管理委員会、感染対策委員会を設置して、医療安全管理体制を確立するとともに、医療安全管理マニュアル、院内感染及び事故対策マニュアルを作成し、職員はそれに則って業務を行っております。

    また、現場で発生した「ヒヤリ、ハット」事例についてはその全情報を収集し全職員に開示し、原因の分析及び改善策についての検討を定期的に行い、その結果を全職員に情報提供することにより医療事故の防止に努めております。

    さらに、医療安全に関する職員の意識を高め医療の質の向上を図るために、全職員に対しての医療安全管理に関する院内研修を定期的に実施しております。


医療安全管理委員会の開催
各部署の責任者(医療安全管理委員会メンバー)が集まり、適宜、医療安全に関しての問題点や改善策を検討しています。
医療にかかわるヒヤリハット事例の検討を行い、再発防止に努めています

全てのスタッフが、医療事故および事故になりかけた事例の報告を、48時間以内に医療安全委員会へ報告するようにしています。

記報告内容を分析し、再発を防止するための改善策を検討し、全職員へ院内カンファレンスなどを通じて周知をしています。改善策の実施状況を必要に応じて調査し、見直しています。

医療安全管理研修会の開催(1年間に2回)

全職員を対象にした医療安全管理研修会を1年間に2回開催し、全職員が医療の安全を守る研修の機会をもうけています。

院内のみならず他の医療機関で起こった情報についても広く収集し、スタッフへの医療安全に関する意識向上を目的とした勉強会を行っています。

医療安全管理のための指針・マニュアルの作成
医療安全管理のための指針・マニュアルを作成し、必要に応じて見直しを行っています。
患者様の間違い防止
  • ・バーコード認証の診察券を用いて、診察前や採血・注射前に必ず患者様と電子カルテに間違いがないか確認をしています
  • ・採卵や胚移植、人工授精の際に卵子や精子、胚と患者様に間違いがないかバーコード認証とフルネームでの名前の確認を行います
  • ・患者参加型医療安全の推進

患者様がご自身の治療や使用する薬剤について理解され、安全に安心して治療に取り組めるように十分な説明を心がけています。

患者様ご本人からフルネームで名前を名乗って頂き、間違いの防止に努めています。

本邦の総出生児に対する高度生殖医療で生まれた児の割合が2014年には4.7%、約21人に1人の割合になったとされるなか、一目見ただけでは誰のものなのかわからない胚や配偶子(卵子・精子)を取り扱う生殖医療は、ひとたび事故がおこればDNA上のミスが何世代にも渡り継承されていく可能性があることを考えると、精子や卵子および胚の管理をおこなう培養室部門において、安全管理は絶対の前提条件です。

スタッフ個々人の取り組みはもちろんのこと医療安全管理をシステムの問題として捉え、質の高い安全な体制を構築するよう心がけています。

① 取り違え防止

チェックの様子

胚培養士2名によるダブルチェック

バーコードによる確認

バーコード認証による配偶子・胚と患者様の確認

②安全と品質の管理
  • ・培養器の管理(自家発電装置の設置とARMS:Astec Risk Management Systemによる培養器。稼働を24時間監視)
  • ・培養液の品質管理(複数社の培養液の使用とロット管理)
③人為的ミスを起こさないための取り組み
  • ・マニュアルに基づいた人材育成と定期的な技術チェック体制の完備
  • ・労働環境への配慮

当院は、2004年に、世界共通の品質管理システムであるISO9001を九州の婦人科で初めて取得しました。
2017年5月29日に2015年度版規格のISO9001:2015にて認証の更新を行いました。

ISO9001:2015登録証

 ISO9001:2015とは、国際標準化機構(International Organization for Standardization)に規定された品質システムの2015年版(最新版)で、患者様の満足度の向上のために高品質の医療の提供や継続的な改善などが、システムとして明確化されていることを国際的に認証するものです。私たちは、患者様により良い医療を提供していくために、このISO9001:2015の認証取得更新を行いました。

 医療にとっての品質とは、充実した医療の実施や患者様本位のサービス、現場における安全性の確保などが挙げられます。さらに、不妊治療(生殖医療)を中心とする婦人科診療では、医療そのものが高度化・複雑化していることも、私たちのISO9001認証取得の大きな要因となっています。

 例えば、体外受精や顕微授精では、成熟した卵子を体外に取り出し、精子と受精させ受精卵を卵管内や子宮内の環境に近づけた培養液とともに、培養器内で数日間培養する過程があります。こうした複雑な過程では、些細な出来事や環境の変化も妊娠率には大きな影響が出てしまうのです。体外受精における施設間の成績が大きく違うのは1つにはこういった事が原因であると思われます。

 したがって、生殖医学を中心とした婦人科治療では、患者様の医療ニーズを的確につかみ、様々な部門のスタッフが緊密な連携を取り合うことが何よりも大切となります。

 そして、そのための十分な体制と自己チェック機能を確立して、その厳正な運営がより安全で確実な生殖医療サービスの提供に直結することになると考えています。
 私たちは、ISO9001の取得を通して、全ての患者様に御満足いただける医療の提供と、そして、社会全般の皆様の信頼を得られる医療機関となることを目指していきます。