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スタッフブログ

バルセロナ(スペイン)で開催されたヨーロッパ生殖医学会に参加して

カテゴリー: 学会参加レポート 2008年7月1日

2008年7月6日~9日にスペインバルセロナで行われたヨーロッパ生殖医学会に参加してきました。
世界各国で不妊治療にたずさわっている医師や培養士、看護師、心理カウンセラーなど約7000名の参加があり、575題の演題が発表されていました。今年は演題を提出しても45%しか発表できない難関でした。日本からは約30題の演題が発表され、当クリニックからも看護部と培養部から2題の演題を発表してきました。

【当院からの発表】
看護 P-559

左から;一緒に参加した杉岡(培養室)、理事長、福田(看護部)、インドネシアの教授アリフさん
左から;一緒に参加した杉岡(培養室)、
理事長、福田(看護部)、
インドネシアの教授アリフさん

Providing optimum nursing care at a large-scale ART clinic: application of triage to infertility nursing care
(大規模ARTクリニックにおける至適看護ケアの提供;トリアージを利用した受持ち看護制)
※不妊治療を受ける患者さんにより良い看護を提供するシステムを考えて実践に役立てたという内容です。

ラボ;胚の選択 P-387
The classification of Morula/compacted Morula; quick morphometric evaluation for selection of day 4 embryo with an optimum implantation potential
(桑実胚の分類;Day4における移植胚選択のための形態的評価)
※形態的評価が一番難しいと言われている桑実胚を胚盤胞まで観察し、着床の可能性が高い桑実胚を移植胚として選択できる複数の評価方法を発表しました。

ガウディ作 サグラダファミリア
現在も建築中
ガウディ作 サグラダファミリア
現在も建築中

今回のESHREは、癌患者に対する卵子凍結や卵巣凍結の演題が多く見られましたが、卵巣凍結の場合、癌治療後に移植した組織から癌が再発した場合の危険が示唆されていました。日本でもこうした情報提供を十分に行ったうえで新しい技術に取り組むべきだと思われました。
もうひとつ興味深かったのは、日本では産科や小児科医療が切迫しており、多胎妊娠を防ぐ為に1個移植を推奨していますが、ESHREではかならずしもそうでもありませんでした。1人子どもを産んでも必ず3年以内に第2子をつくりに来られるので、患者さんの心理や経済的負担などを考えると必ずしも1個移植がベストではないという発表で、同様の発表が何題か見られたことはとても興味深かったです。

国際学会への参加は、世界の色々な方の発表を聞いたりディスカッションすることができ、大いに刺激になりました。また、バルセロナという土地柄、多くの世界遺産に触れることができたことも貴重な体験だったと思います。

看護部 福田貴美子
培養室 杉岡美智代

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