Now Loading...

Now Loading...

ページトップへ

スタッフブログ

第30回日本臨床エンブリオロジスト学会 ワークショップ・学術集会に参加して

カテゴリー: ラボラトリーブログ, 学会参加レポート 2025年1月17日

培養室の水本です。
1月9~10日に大阪にて開催された、第30回日本臨床エンブリオロジスト学会 ワークショップ・学術集会の報告をさせていただきます。今回は「原点回帰 -エンブリオロジストの現在地と未来」というテーマで開催されました。

日本臨床エンブリオロジスト学会は、胚培養士(エンブリオロジスト)を育成するために胚培養士が運営するという特殊な形態の学会です。講演会に加えて実際の手技をトレーニングするためのワークショップが設けられているのが大きな特徴です。
今回私は、学会の運営委員およびICSI初級コースの講師として参加いたしました。

2022年から不妊治療の保険適用が始まり、生殖医療を取り巻く状況は日々変化しています。そこに関わる我々胚培養士に関しても同様です。
胚培養士という仕事は国家資格ではないため、日本で高度不妊治療が始まって40年以上経過した今になって「どのような業務を担う仕事なのか?」など厚生労働省の調査が行われている状況です。
今回の学術集会は、そういった胚培養士を取り巻く最新の情報、世界初の顕微授精(卵細胞質内精子注入法:ICSI)による妊娠報告をしたPalermo博士からの黎明期のお話、漫画「胚培養士ミズイロ」の作者おかざき真里先生による仕事の内容を世の中に伝えていく事の難しさ・重要性、など学会テーマに相応しい講演が目白押しでした。



当院の培養室は、開院以来脈々と受け継いだ知見や教育システムにより安定した技術を維持していますが、地方の小規模施設などではそうはいきません。ワークショップは従来、教育の機会が少ない施設のお手伝いが主な目的となっていましたが、個人的には近年少々違った視点で指導を行っています。
繰り返しになりますが不妊治療が保険適用となりました。患者様がどこの施設に行っても同じ保険点数として管理されます。胚培養士間のレベルに差がある事はこれまで以上に由々しき問題となっています。
「誰がどこに行っても同じレベルの治療を受ける事が出来る」そういった底上げをするのも胚培養士の仕事という意識で我々自身も日々研鑽し、今後の学会活動に取り組んで行きたいと考えています。

ICSIのパイオニアPalermo博士と

next