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スタッフブログ

第66回日本卵子学会学術集会に参加して

カテゴリー: ラボラトリーブログ, 学会参加レポート 2025年6月4日

培養室の水本です。
5月31日~6月1日に広島で開催された第66回日本卵子学会学術集会の報告をさせていただきます。日本卵子学会は、我々胚培養士が関係する中ではメインとも言える学会です。当院の培養部からは4名が出席し、長尾主任と私が発表を行いました。

長尾主任は「胚のグレードを加味した融解胚移植時の回復培養時間の検討」と題した発表を行いました。
当院は13時から胚移植を開始しますが、この時間に合わせて朝から随時凍結胚の融解を行っています。当日の胚移植件数によって、胚の融解から移植するまでの時間(回復培養時間)に差が生じますが、その時間差と胚のグレードが妊娠率に及ぼす影響を調査したものです。
調査の結果、形態良好胚であれば回復時間は妊娠率に影響しませんが、胚グレードによっては移植までの時間が短いほど妊娠率が高い事が分かりました。

現在、本データを元にして毎日の胚を融解する順番や業務の優先順位を決定しております。
今後も皆様が出来るだけ早く妊娠できるよう業務改善を積み重ねて行きたいと思います。

私は、‘’若手学会員を対象としたキャリア形成シンポジウム‘’というセッションで「胚培養士(管理胚培養士)を取得した理由とプロセス」という発表をさせていただきました。
日本卵子学会は、「生殖補助医療胚培養士」および「生殖補助医療管理胚培養士」という資格を認定している学会でもあります。
胚培養士資格は、一定の実務経験と学会参加などの条件を満たした後、筆記試験と面接をクリアする事で授与されます。管理胚培養士は、胚培養士資格を取得した後の実務経験、博士号を取得している事、生殖に関する学術論文を執筆している事などの条件を満たした後、倫理に関する口頭試問をクリアする事で授与される上級資格です。

今回、若手学術委員会の依頼を受けて、僭越ではありますが私がそれぞれの資格を取得してきた経験(受験に至った理由やライフワークバランスなどの苦労話)をお話しさせていただきました。
当院では、胚培養士の水準を担保するため生殖補助医療胚培養士の受験を義務づけており、条件を満たすスタッフは全員が資格を取得しております。今後も当院を含め胚培養士全体のレベルアップのため活動を続けて行きたいと思います。

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