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スタッフブログ

第43回 日本受精着床学会 総会・学術講演会に参加して

カテゴリー: ラボラトリーブログ, 学会参加レポート 2025年9月9日

こんにちは、培養士の田中です。
8/28~8/29に名古屋マリオットアソシアホテル/JRゲートタワーカンファレンスにて開催された「第43回 日本受精着床学会 総会・学術講演会」に参加してまいりました。
日本受精着床学会は生殖医療に関わる医師、看護師、培養士だけではなく、大学や企業等で研究している人達も参加する大きな学会です。
口頭演題172題、ポスター演題79題の他にも、シンポジウムやセミナー、教育講演等もあり、非常に充実した2日間でした。
私は「拡張胚盤胞において内部細胞塊が突出する胚に関する調査」という表題で口頭発表をしてきました。胚が育って拡張胚盤胞になった際に、顕微授精により生じた小さな孔(穿刺孔)から細胞の一部が透明帯の外側に突出する現象が認められることがあります。胚盤胞には胎児に育つ細胞と胎盤に育つ細胞が存在しており、穿刺孔から突出する細胞によってはその後の妊娠率に影響を与えることが分かりました。同じ現象を経験している他のクリニックの方やこの演題に興味を持った方達から沢山の質問を頂き、大変良いディスカッションを行うことが出来ました。
また今回は、私達胚培養士の国家資格化に向けて、「胚培養士資格制度をめぐる現在と課題」というトピックスが設けられており、様々な分野で活躍されている5人の先生方の講演がありました。その中で、不妊治療はしたけれども胚培養士という存在は知らなかった、胚培養士が国家資格ではないことに不安を感じている、等々、患者様の貴重なお声も聞くことが出来ました。日本では胚培養士という仕事はまだまだ広く知られてはいませんが、私は患者様の大切な胚や精子を扱うこの仕事に誇りを持っております。長い道のりかもしれませんが、何より患者様の安心のためにも、早期の実現が叶うことを願っております。
今回の受精着床学会で学んできた内容はクリニック全体で共有し、少しでも患者様のために還元できるように、私達一同、より一層頑張っていきたいと思っております。

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