スウェーデン カロリンスカ大学病院を訪問して
カテゴリー: ラボラトリーブログ 2005年6月1日
2005年6月16日と17日の二日間スウェーデン・ストックホルムにあるカロリンスカ大学病院に院長の蔵本、培養室より江頭、西垣の3名で訪問させて頂きました。
上空より見たスウェーデンは水と森林の国といわれるだけあり、湖の色、森の緑と調和のとれた美しい国でした。また、ストックホルム市内は、レンガ造りの建物が多く北欧のベニスと称されるほど大変美しい町並みでした。ただ、高福祉・高負担の福祉国家の国といわれるだけあって物価の高さには多少驚きもしました。
カロリンスカ研究所はノーベル医学生理学賞を決定する機関でもあるカロリンスカ大学病院はストックホルム市内より車で30分ほどのところにあるフロア面積500,000m2、ベッド数1800床、15,000人のスタッフを有する公立病院で、敷地内にはたくさんの緑を取り入れた庭もある病院施設、研究施設を持ち合わせた病院でした。
私たちが訪れたIVF施設は、ホバッタ教授を中心とした教室で、訪問中はラボディレクターのレイコブ氏が学会前の忙しいさなか案内してくださいました。
見学中は二日間とも臨床カンファレンスにも参加させていただきました(ただスウェーデン語のため内容はよくわかりませんでしたが・・・)。
主にその日の採卵、胚移植の件数やスケジュール等をイントラネットを用いてスタッフ全員で確認していました。またこちらの病院では現在、未熟卵の体外培養(IVM)や日本ではまだほとんど行われていない化学療法や放射線治療開始前の卵巣、精巣組織の凍結に力を入れておりそれらの臨床成績なども拝見させていただきました。
スウェーデンではIVFが保険で行われているようですがその場合移植胚数は1個と決まっているため、保険を使用せず複数個の胚移植を希望する方もいるということでした。また金銭的なこと、女性の年齢(若い女性)、卵巣刺激に対する副作用を考慮しIVMも取り入れているようでしたが妊娠率約20%と日本の成績とほとんど変わらず2回までと限定して行っていました。
ただ、日本と大きく違ったことは採卵に夫婦で取り組むということ!採卵している奥様の横にご主人様が付き添い夫婦二人で採卵を行っていました。
海外の病院を訪問させていただいた経験を生かしつつ、スタッフ一同協力し、皆様に安心して治療を受けていただける病院にしていきたいと思います。
培養室 西垣