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スタッフブログ

国際生殖医学会(IFFS2025 world congress)に参加して(培養室長レポート)

カテゴリー: ラボラトリーブログ, 学会参加レポート 2025年5月6日

培養室の水本です。
4月26~29日に東京で開催されたInternational Federation of Fertility Societies World Congress 2025 (国際生殖医学会:IFFS2025)および第70回日本生殖医学会学術集会に出席しました。日本生殖医学会の学術集会は例年秋~冬に行われますが、IFFS2025の日本開催に併せてジョイントで行われました。

私は今回「Selection criteria for Day6 blastocysts for embryo transfer : effect of developmental stage on Day 4」と題した発表をさせていただきました。我々胚培養士は、より多くの受精卵(胚)をつくり、それらがより多くの良好胚として育つように日々業務に取り組んでおります。ただ、沢山の胚が得られたとしても一度に移植する数は原則1個ですので、患者さまにより早く妊娠していただくためには明確な胚選択基準が必要です。

私の今回の発表は、胚盤胞(培養5~6日目の胚)の培養4日目時点の状態が妊娠率にどのように影響するか調べたものです。
培養4日目時点の胚は順調に成長していればCompacted morula(割球同士が接着して密になった状態)になっています。今回の調査結果では、培養5日目の胚盤胞が培養4日目時点でまだ16細胞未満だった場合は妊娠率が有意に低くなるのに対して、培養6日目の胚盤胞の場合はむしろ高い妊娠率を示す事が分かりました。
胚の成長が順調に進む事がもちろんベストですが、ゆっくりなりにも一定のペースで成長が進んで、必要なプロセスが細胞内で確実に遂行されている事が妊娠には重要なのだと考えられます。今後も先入観に捕らわれずに胚選択基準のブラッシュアップをしていきたいと思います。

今回は国際学会という事で、普段メールやweb会議でしかやり取り出来ない海外の方々ともface to faceで研究に関するディスカッションをする事が出来ました。
この機にと思い少々スケジュールを詰めすぎましたが、心地よい疲労感と共に帰福。また新たなモチベーションで治療に取り組んでおります。

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