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スタッフブログ

ヘルシンキ(フィンランド)で開かれた生殖医学会に参加して

カテゴリー: ラボラトリーブログ, 学会参加レポート 2016年7月10日

フィンランドのヘルシンキにて、2016年7月3日から7月6日までヨーロッパ生殖医学会(ESHRE)が開催されました。

ESHRE学会場前にて
ESHRE学会場前にて

院長、研究部1名、培養士1名の計3名で参加しました。世界117ヵ国から6741人が参加しており、口頭発表は295題、ポスター発表800題あり、当院は研究部から「Simple effective vitrification of a small number of human spermatozoa using Rapid-i carriers: a follow up study」という演目で、ポスター発表を1題行ないました。液体窒素に暴露しない安全なデバイスを用いた希少精子凍結に関する報告です。

学会の前日にヘルシンキに到着し、翌朝より2日間、午前中は日本語セミナーを受講しました。このセミナーのおかげで英語力のない私でも、多くのことを吸収できたように思います。学会発表の内容は昨年に続き、主だったものはPGD(着床前診断)/PGS(着床全受精卵遺伝子スクリーニング)の話やタイムラプス(受精から胚盤胞までの胚の発育経過を等間隔で撮影し観察するもの)の内容を多く耳にしました。
今回国際学会に参加できたことで、世界の文化の違いや各国で行われている先端医療の違いを知ることができ、世界の広さを感じたと共に医療従事者の一人として沢山の刺激を受けることができました。

フィンランドは北ヨーロッパに位置する国であり、福岡からも直行便が出ていますが、今回は日程の関係上成田空港経由で9時間ほどかけて現地に到着しました。到着日は天気が良くとても過ごしやすい気候でしたが、その後は天気が崩れ肌寒い日が続きました。ヘルシンキはフィンランドの首都で同国最大の都市であり、美しい街並みの中には帝政の頃のロシアとつながりが深かったことを思わせる建築物が多く建ち並んでいました。緯度の関係から白夜が見られる地域のためこの季節は夜11時近くまで明るく、人々も遅くまで出歩いていたのがとても印象的でした。

学会が終わるとヘルシンキから列車でロシアのサンクトペテルブルクに移動しました。バルト海東部のフィンランド湾最東端に位置するロシア西部の都市であり、以前はレニングラードという名前でもあった都市です。滞在中はずっと雨が降っており、こちらも肌寒い日が続きました。町の至る所に教会や美術館が多く、色とりどりの建物で目移りしてしまいそうになる、まさに芸術都市でした。食事はロシアの伝統料理であるボルシチやピロシキ、ビーフストロガノフなどをいただきましたがどれもとてもおいしかったです。現地ガイドの方はとても日本語がうまく、サンクトペテルブルクの歴史やロシア革命の話をすごくわかりやすく説明していただきました。他にもロシア人はあまりウォッカを飲まない話、紅茶にジャムを入れて飲まない話など、日本人の間違った知識の話もとても興味深いものでした。

今回、国際学会に参加という貴重な体験をさせていただいたのに加え、フィンランド・ロシア観光も十二分に楽しませていただき、このような経験をさせてくださった院長に深く感謝すると共に、参加するにあたり業務の調整に協力して下さったスタッフの方々に深く感謝しています。

培養室 大原知子

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