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スタッフブログ

タイムラプスインキュベーター「Embryo Scope Plus」のご紹介

カテゴリー: ラボラトリーブログ 2019年1月29日

 胚(受精卵)の培養はインキュベーター(培養器)と呼ばれる機械を用いて行います。インキュベーターの内部は、胚にとって適切な環境である37℃の温度および低酸素状態に保たれています。
 適切な環境で培養した胚をより良い状態で凍結・移植するためには、発生(胚の成長)の状況を顕微鏡下で観察し、評価する事が必要です。胚の評価をするに当たっての情報は多い方が良いですが、観察頻度を増やすとインキュベーターから取り出して胚を外気のストレスに曝す回数も増えるため、そのバランスに頭を悩ませていました。
 このようなジレンマを解消する方法として、当院では2017年11月にタイムラプスインキュベーター「Embryo Scope Plus」を導入しました。タイムラプスインキュベーターは、胚を培養する機能に加えて、顕微鏡とカメラおよび解析ソフトが搭載された装置の事です。タイムラプスシステムを用いる事で、インキュベーターから取り出さずに胚を観察できるようになりました。また、胚の発生を動画として解析出来るため、従来法では知り得ない細かな変化も観測できるようになり胚評価に生かす事が出来ています。
Embryo Scope Plusは、タイムラプスインキュベーターの中でも特に高い性能を持った製品で専用の培養ディッシュを使用します。現在、受精卵(前核期胚)あたりの胚盤胞到達率は約55%で安定しており、導入前後の臨床的妊娠率も約5%改善するなど、治療成績向上に繋がっています。
ESP

培養室長 水本 茂利

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